カテゴリー:小説・文学の記事一覧

本や映画を旅するふくろうの日記帳

カテゴリー:小説・文学

県庁おもてなし課 有川 浩

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こんばんは、ふくろうです。今日は有川浩さんの『県庁おもてなし課』でございます。
県庁にそんな部署があるのかと、以前思いました。
各都道府県によって、そういう、独自の部署があったら面白いですよね。
ネーミングはそれぞれでも、むしろ個性が出せるでしょうね。

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主人公は県庁に努める若者です。
「おもてなし課」発足って、何をやるのでしょうか。
その疑問を持ちながら読み進めていきました。
少なくともふくろうの住む地方では聞いたことがないです。

地方の抱える問題には、ふくろう、とっても興味があります。
固いお話だろうなと思ったのですが、予想と違い
実は大変勉強になる面白いお話でした。

現実感がすごくあって、
読みながら一緒にこのおもてなし課と
考えさせられ、主人公を身近に感じました。

新鮮なストーリーです。
400ページをじっくり考えながら読みました。
間違いなく脳が活性化したと思います。

確かに県庁というところには
我々庶民はあるイメージを持っています。
ふくろうにとってはやはり固めのイメージがありますね。

読み始めてすぐに、ふくろうは思い出したことがありました。
東北が災害に会う前のことなのですが、
福島県の観光課でしたか、
ある祭りのことにつて電話で質問したことがあります。

そこの職員のかたがすごくやさしくて親切だったのと、
送ってもらったパンフレットがきれいだったので
いつかその祭りを見に行ってみたいなと胸を膨らませておりました。

対応がいいと、その県のイメージは確かによくなりますね。
近頃の各県のPRビデオみましたら、
めちゃくちゃ楽しかったですよ。
アイデアも個性もグッとくるものが多かったです。

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この物語は読み始めるとすぐにイメージがスクリーンとなって
目の前で展開される気がしました。
いろんなひとがいてそれぞれの立場や思いがあり、
そして、登場人物たちがそれぞれの立場で、
自分の住む県を愛し、発展させようとします。
建設的なお話ですよね。

現実のそういうことを、具体的にどうやって行くのだろうかと、
ふくろうは興味津々で読み進めました。

苦労しながら主人公の掛水さんが、
真摯に立ち向かう姿に共感します。
この青年好感度が高いですよ。
とにかく素直にできています。

誠実に苦労し続ける若者、いいですよ。
話が進むにつれ掛水青年が成長するのが見て取れるのも
楽しいです。

地道にコツコツやることの大切さがよくわかります。
やる気をもって変わっていく「おもてなし課」
がいい感じです。

この人たちの本気が、何をどう変えていったのか、
読み応えがあります。

何より故郷への愛があふれています。
何かを生み出すことは、感動しますね。
ふくろうも何であれ何かを生み出す人生でありたいと願っています。

登場人物たちがひとりひとり魅力的で、
新鮮です。
実在の人物かと思うほど存在感があります。
みんな大好きになってしまいました。

大切な人のために、大切なもののために
人は変われると思います。

このお話の世界に行くと、ふくろう元気になれました。
生きていく勇気をもらえましたね。

希望を感じる楽しい小説です。

では。

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心霊探偵八雲10 魂の道標 神永学

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モーニング!ふくろうです。
今日は『心霊探偵八雲 10 魂の道標』でございます。

いよいよ八雲の10巻目、ふくろうも首を長くして待っておりました。
八雲まだまだ大学生でございます。
会えない間は、元気に食べているだろうかとか、心配しておりましたよ。

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さて後藤刑事は、懲戒免職となった後、心霊事件専門の探偵事務所を始めました。

ここはベロニカ・マーズのヴェロニカのパパと似た状況ですね。
自分が意図したわけではないのに、人生はままならないものですね。
しかし、生きてかなくてはなりません。

家族を養いましょう。

転職ということになると刑事だった後藤さんの経験が生きるのは探偵家業でしょうね。
今までの経験が無駄にならず、これからの仕事にも断然有利に働きます。

ただ、後藤さん自身は心霊関係の事件に遭遇させられていますが、心霊に対して何かできる、またできたという経験はないのです。
そんなことでこの商売やっていけるのか。

心霊をあくまでメインに、世の中に謎の解けない事件は結構ありますよね。
そういった普通誰も受け付けないような事件を引き受けるところといったほうが、顧客が集まりそうですね。

心霊専門のパートナーが必要です。八雲しかいませんよね。
しかし、八雲は積極的に参加したいわけではないのです。
実際、自分の人生だけでも大変重いんです。
しかもボランティアが今までほとんどでした。

他人のことをどうこうするなんて眼中にないかもしれません。
ビジネスパートナーとしてすんなりと働くのは無理ですね。

ところで、今回八雲には異変が起こります。
備わっていたと思った力が働かないのです。
医学で何とかなるかどうか、わかりません。
普段より一層事件解決に協力することはできませんね。

八雲自身のことを最優先に考えれば周りがせかすのはいけませんね。
もともと八雲は自由であるはずですから。

この青年の生い立ちを考えると、様々なトラウマがあって不思議ではないと思います。
ふくろうは現在不安障害を抱えています。
しかし、八雲みたいな若いころには、八雲のようなハードな人生はなかったです。逆境にはいたけれど、これほどではなかった、という意味です。

若ころから厳しい人生の八雲は大丈夫なんだろうかと、ふくろうは心配です。

後藤さんが多分そういう部分も全部見てきたのかなと思います。
物語ではたくさん描かれてはいませんが、
現実として、八雲が自分の困難な状況をどうしてきたのか。
乗り越えたのだとふくろうは思いたいですね。

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今回八雲の唯一の肉親の奈緒にも魔の手がせまります。
心も体も傷を負った八雲ですが、動かざるをえません。
八雲、主人公ですからね、この青年が動かないと話も始まらないですね。
黒幕はもしかしたらとふくろうも思っています。

七瀬美雪も出てまいります。
この人に関してはいつも肝心なところで逃げられています。
怖い人です。

しかし、なぜいつもこの女性には逃げられてしまうのか、この点がふくろうには疑問ですけどね。
次から次から起こる出来事が濃すぎて、対処に追われるうちに、レシーブする手が足りなくなってしまうのかもしれません。

八雲が自分の存在価値に言及しているところがあります。
一人ぼっちの子供が、自分に自信を無くしているイメージが出てきます。

周囲は八雲に気を使いますが、この状態の特効薬は晴香しかいませんね。
のちに晴香のことを八雲は自分の道しるべだと告げています。

八雲に好意を持つ晴香は八雲から好意を表してもらいたいと思っていますね。

普通の恋愛ドラマを期待するのは無理ですから、晴香としてもどうしたらいいのか迷います。
独り相撲に見えるのは悲しいと思います。

八雲はもしかしたら、そういうことが言えない症候群を抱えているのかな。
生い立ちを考えたら何か抱えていてもふくろうは納得しますね。

細かいことはわからないですが、八雲は何か苦しんでいるためになかなかそういうことに積極的になれないのだろうとふくろうは思っています。

予想通り八雲と例の人物との戦いだと分かってきます。
使われる奈緒が可愛そうになります。

ラストで八雲の口からある言葉が出てきます。
ふくろうもそう来るか。と思いました。
八雲よく言った。
対する相手がたじろぐのがわかります。
しんどいだろうけど、正面突破するにはそれが一番かもしれません。

とくにこの世に体を持たない相手だと、何が有効かわかりませんよね。
実在の人間でも、
憎しみ、恨み怒りなどのネガティブなものに立ち向かうには、同じように打ち返してもだめですね。

もっと強烈に打撃を与えるのは、愛ですね。そう思いました。
愛のある言葉が威力を発揮します。それと揺るがない自分の信念ですね。

痛めつけようとして来る輩も、利用しようとする輩も、弱さを暴露しているのです。

ふくろうも過去何度かありましたね。
人間は守りたいものがはっきりしていればアイデアが出やすい気がします。

今回、八雲が出した結論、考え抜いた末ですね。
一件落着に見えますが、まだ火種は残っていそうです。
次巻が気になりますね。
では。

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心霊探偵八雲 ANOTHER FILES 亡霊の願い 神永学

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モーニング!ふくろうです。
『心霊探偵八雲 ANOTHER FILES』「亡霊の願い」でございます。
学園祭を舞台に、見える風景がございます。

こういう外伝、楽しいですね。
本編のほうももちろん大好きなのですが、
少し隙間に風を入れて、登場人物の生活ものぞいてみたいです。

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この本には、
「劇場の亡霊」
「背後霊の呪い」
「魂の願い」の三つの短編が入っています。

タイトルだけを見れば、何だかおどろおどろしい雰囲気のものばかりですが、
読後感はやっぱりしみじみとしますね。

「心霊探偵八雲」は長編もいいですが、こういった短編も楽しいです。

八雲と晴香の学園生活がどんなものか興味はありました。
だって謎だらけですよね。

部室に住み着いてる?
食事や、入浴や洗濯などはいったいいつどうやって行われるのか、
おふくろをやっているふくろうとしてはぜひ知りたかったです。

長編のほうですと、もう事件のほうにしっかり目がいって、
なかなか知る余裕がなかったのですが、
この外伝では、そういった情報も少しづつ入ってきます。

これを読んで、八雲たちについて理解を深めて、
長編を楽しみたいと思います。

八雲に対する興味は尽きませんね。
「人生を切り開いていく力」について考えてしまいます。
家庭運があるかといえば、うーん、普通にはないような、
幼少期から思春期を経て、大学の部室に住み着くまでを、
余計なことかもしれませんが、知りたいと思っています。
生活力はどうなのか、生きるために必要な力からね。

まあ、ミステリアスな主人公でかっこいい若者ですから、
外伝でもあまり生活臭に結びつくようなのは場面ばかりでは
それはそれでいらないかなと思います。
しかし、八雲好きのふくろうは、実在している感覚を手に入れたいのですよ。

もはや、ホームズ、ポワロ、ヴェロニカ、八雲、あと、浅見光彦、などなど、
すでに、親近感を通り越して、実在の人物だったかな、状態です。
ファンとして、そう思うことが楽しいですよね。

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さて、人の心の闇が犯罪に結びつくのでしょうか。
八雲語録で好きな言葉は
「幽霊はどこにでもいる」です。

八雲目線ではそういうことになるのですね。
驚くことではなく、いつものことなのですから。

晴香と八雲の関係もいまいち不思議ではあります。
晴香は八雲の助手なのか否か。

今回も頼まれたらいやといえない晴香を窓口に
事件が八雲に持ち込まれて、
迷惑といいながら八雲がその不思議な能力と推理力で
普通にはわかりにくい事件の真相を明かしていきます。

八雲シリーズを読んでいて、
八雲以外に、幽霊らしき存在が見える人がいますよね。
石井さんだったり、晴香だったり、また別の人だったり。
ここは現実もそうかなとふくろうは思います。
見える人は世の中に八雲一人だけではないけれども、
事件を解決できる人はなかなかいないのでしょうね。
現実に、夢なのか、本当に見えているのか
区別をはっきりつけられないと思います。

わかりにくい世界です。
検証がむずかしい。

しかし、犯罪捜査にこういう能力がいかせたらいいだろうと
ふくろうも思います。
犯罪を減らすのにどのくらいこういった力が貢献できるのか
知りたいところです。
八雲だって完璧な人間ではない。
わかっていてもみんな八雲を頼りたくなりますね。
八雲はただ働きさせられるだけで、
不平不満がたまるでしょう。
そこもわかる気がします。

八雲の善意を当てにするのはそろそろ考えてあげてほしいと
ふくろうも思います。

八雲は卒業したら、その力を生かして働けると思います。
必要だからその力を与えられているのでしょう。
世の中の役に立つ人間として生きていけます。
八雲の独り立ちを見届けたいふくろうでございます。
では。

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続・氷点 三浦綾子

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こんばんは、ふくろうです。今日は、三浦綾子さんの『続・氷点』でございます。

「氷点」で命を絶とうとした陽子でしたね。
ふくろうは泣きそうになったんですけど、
冷たく美しい世界に横たわる陽子のイメージが鮮烈に心の中に残った最後でした。
生きているんだ。そう持ったらふくろうもジーンときました。
当分その雰囲気に浸っておりましたが、時間がたつにつれて、陽子の其の後を知りたくなりました。
「氷点」を読んだ読者はほとんどそんな感じだったでしょうか。

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陽子って本当に苦労人だと思います。
若いうちからこんな運命でなければ
もっと違った人生になっていたかな。

陽子自身がこの世に自分が存在することをどこかで許してこなかったのかなと思いました。
自分の出生の秘密を知らなければ、ここまでしなかったのか、それとも、
もともとの性分で同じようことになったのか。

その出生の秘密だって、正確ではないとしたら。

陽子の周り、特にこの家族には秘密が多すぎます。
日常に潜む暗闇の世界に誰かがはやく気がつけばと思いました。

それとこの物語に限らず、普通に家族ってもろい部分があるかもしれないなとも。

この世に生きるのはけっこう危ういことなのかもしれませんね。

いずれにしてもよくわかりませんね。
今陽子が生きていることが一番ですよね。

陽子を取り巻く人々も変わり始めます。

陽子を愛する徹と北原は陽子の気持ちがつかめず
心を痛めます。

そして運命の糸に導かれるように、
この巻から陽子の実母や兄弟が登場します。

辻口夫妻は相変わらずですね。
この二人の確執は続いています。
復讐合戦ですね。
懲りない似たもの夫婦ですよね。

でも生きてて元気でやっていられるって幸せです。
大人として親をやっていくのは大変なことだと
つくづく思いますけどね。

陽子は北大に進学する予定です。
よかったですね。

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さて、
罪のない人など存在しない。
確かにそうですね。自分では気がつかないことも
あるかと思います。

この巻では辻口先生は陽子によって癒されている、
これを自覚していますね。
陽子にとって理解者になっています。
冷たい傍観者から変っています。

この巻で「愛不在で正義を求めるものに救いはない」
と言っています。心に残ります。

陽子はなかなか生みの母を許すことができません。
陽子の立場に立てばふくろうもそう思うでしょうね。

「ゆるすこと」は本当にむずかしいですね。
時間とか、きっかけとかも必要かもしれません。
また自分に責める資格があるのかないのかを
考えることも大事でしょう。

肉親とのかかわり、切ないですね。
陽子が弟を可愛いと思う気持ちはよくわかります。
理屈じゃないですよね。

若い頃よりは、今のほうがふくろうも「ゆるすこと」
がやりやすい気がします。
人は成長して変ることで
ゆるすことができるのかもしれません。

大変な目にあったり、つらいことや悲しいことを
経験して、人にやさしくなれるんでしょうね。

陽子は自分に対して厳しい人間です。
冷たい環境で、甘えたいときに甘えられなかった
ですよね。
ゆるしに悩む陽子は流氷に神の存在を感じます。
あれがゆるしの瞬間なのかな。

全巻読んで、陽子は美しいなと思いました。
存在感がすごい。

この本はもう何度も読みましたが、読むたびに
メッセージが心に届きます。心の灯火です。
頑張って生きようと思えます。

では陽子さんの幸せを祈りながら、
おやすみなさい。

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