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こんばんは、ふくろうです。今日は君島久子さんの『犬になった王子』でございます。
絵は後藤仁さんです。
この民話は生まれて初めて読みました。
絵がとってもすてきなので手に取ったのですが、
素朴で力強い物語です。
絵本の中からいい風が吹いてきました。

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チベットのプラ国の王子、アチョは国を豊かにするために
山の神リウダのもとに出かけることを決心します。

王とお妃の引き留めるのも聞かず出かけますが、
このたびはとてつもなく危険なたびでした。
家来たちは次々と命を落し、アチョはとうとう一人になってしまいます。
一人しかいない子供ですよね。
この王子様は跡継ぎだと思いますが、本来なら温存しておきたいところだと思います。
しかし、若者の気持ちは一途ですね。

親の言うことをはいそうですかと聞くだけでも少し寂しいかもしれません。
アチョ王子、覇気のあるところはほめたいですね。

でもまだこの物語は序の口です。やっとのことで、
リウダに会うことができますが、
アチョが手に入れたいタネは蛇王が持っているのです。
しかもこのあとの苦難を予言されます。

先のことがわかっていい点は対策を講じられることです。
可能であれば。

なんか命がいくつあっても足りそうにない感じですね。
厳しい状況で苦難を覚悟でアチョは進みます。
蛇王の洞穴に忍び込むアチョ、
やっとのことで大麦のタネを手に入れます。
大冒険でございますよ。
無謀ともいえるアチョの冒険ですが、やるしかないことは人生にもままありますね。

このページのアチョ王子がとても美しく凛々しいお顔です。
若くて何者をも恐れない勇気があふれている絵です。
とにかく美しいのでふくろうは見とれておりました。
この東洋の若者から光が出ています。
後藤仁さんの絵は本当に美しいですね。
アチョ王子、いくつくらいでしょうか。まだ十代にも見えますね。

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この後もことはそう簡単にはいきません。
王子は蛇王に金色の犬にかえられてしまいます。
ワイ~~~~ン。

犬になったアチョはロウル地方にやってきて山の神の言っていた
心から愛してくれる娘をさがします。

この娘、名をゴマンといいます。美しいゴマンは犬とタネをまきます。
そして秋、娘も嫁に行く季節になりました。

果物をなげつけられた若者が婿に選ばれる風習です。
これは初めて知りました。
さてゴマンの婿になりたい青年は多いようですが、ゴマンは
果物を犬の胸元に落としてしまいます。

これでゴマンは笑いものになり親から追い出されます。
なんでそこまでと思いますよね。
こうやって家なき子となったゴマンと犬。

ここで王子は犬になったわけを自らゴマンに語ります。
犬がいきなりしゃべるんですが、
二人には揺るがない赤い太い糸があったようですね。

行く先々でタネをまきながら国に帰っていくなんて
素敵ですね。
そのあとをゴマンはおいながら進みます。
やがてプラ国が見えてまいります。

犬が現れて王子に変わります。
苦難の後に訪れる幸せに乾杯ですね。

心がじわっとふくらむお話です。
人が一粒の種をどんなに苦労して手に入れてきたか、
雄大なチベットの物語によみがえります。
こんな風に
人の思いが世の中を変えてきたんですね。

お子様と一緒に味わうのにふさわしい上質の民話だと思います。
では。

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