ふくろうの books and movies

本や映画を旅するふくろうの日記帳

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水野英子名作選 白いトロイカ 第1巻

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モーニング!ふくろうです。
今日は『水野英子名作選』、「白いトロイカ 第1巻」でございます。
子供の頃、夢を見させていただいた名作でございます。
子どもの頃の楽しみはコミックを読むことと、テレビでアニメを見ることでしたね。

そこには夢がありました。見たこともない夢でした。

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実はこの物語全部読んだことがありませんでした。
だから今回本当に、夢のようです。
水野英子さんのコミックが大好きでした。
なにかこう、優雅で素敵な夢の世界が広がっていましたね。

コミックを読んで、見たことのない国へのあこがれを抱いて、元気をもらっていました。
ふくろうにも未来に素敵なストーリーが待っているかもしれない。
そう思えました。

美しい装丁にうっとりでございます。
トロイカとくれば雪を思い浮かべますね。
読み始めると夢の世界に入っていく感じです。

手に取っただけで深い深い物語の世界に
足を踏み入れる気がします。
波乱万丈で、ドラマチック。
ときめきながら読んでしまいます。

なんせ、半世紀も前に読んだきりで、なかなか探せずにやっと、またこの作品にたどり着きました。
水野英子さんの作品はいつだって心に深い足跡がのこります。
幼いふくろうには、知らない世界が広がっていました。
当時、本気でこのお話の主人公になりたかったですね。

水野英子さんの描かれる男性主人公は、本当に素敵でした。

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ロシアの大地、コサック、歌姫、恋など、
少女の心をつかんで離さない魅力的なストーリーは、
永久に心に残りますね。

現にふくろうは半世紀超えても覚えていましたからね。
どこがそんなによかったかといいますと、
素敵なラブストーリーであること。
それからヒロインのロタが歌うシーンですね。

歌の内容がとても素敵です。
画面からロタの歌声がふくろうにも聞こえてきましたもん。
何て美しいお話なんだろうと思ったものです。

ロタは幼児の頃実の両親とは悲劇的な別れをします。
ですが、母親譲りの声がロタを歌手になる夢に導いていきます。

子供の頃読んでいて、歌うってなんてすごいんだろうと
思っていました。

歌のためにロタは危険を顧みずペテルブルグを目指します。
困った時に助けてくれたレオに惹かれるようになります。
女の子ならこういう恋にあこがれますよね。
正統派のラブストーリーです。
半世紀たって読んでも色あせていません。
ふくろうの心に再びしみこんできました。

国家の体制が覆されるときに、圧政に苦しむ人々が
どんな行動をするのかもきちんとえがかれていて、
骨太な歴史漫画だと思います。

水野英子さんならではの奥深い作品ですね。
読みながら風も雪も体験してしまいます。
胸を打つストーリーです。

しかし恋するレオにはナターシャという婚約者がいたのです。
この恋、どうなるんでしょうか。恋に障害はつきものですね。

この第1巻にはもう一作『にれ屋敷』が入っています。
こちらは悲恋でありながら幸せな恋が描かれています。
人の心の切なさとか愛の強さを感じましたね。
こちらのほうは完結です。

次巻でまた。

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犬になった王子 君島久子 文 後藤 仁 絵

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こんばんは、ふくろうです。今日は君島久子さんの『犬になった王子』でございます。
絵は後藤仁さんです。
この民話は生まれて初めて読みました。
絵がとってもすてきなので手に取ったのですが、
素朴で力強い物語です。
絵本の中からいい風が吹いてきました。

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チベットのプラ国の王子、アチョは国を豊かにするために
山の神リウダのもとに出かけることを決心します。

王とお妃の引き留めるのも聞かず出かけますが、
このたびはとてつもなく危険なたびでした。
家来たちは次々と命を落し、アチョはとうとう一人になってしまいます。
一人しかいない子供ですよね。
この王子様は跡継ぎだと思いますが、本来なら温存しておきたいところだと思います。
しかし、若者の気持ちは一途ですね。

親の言うことをはいそうですかと聞くだけでも少し寂しいかもしれません。
アチョ王子、覇気のあるところはほめたいですね。

でもまだこの物語は序の口です。やっとのことで、
リウダに会うことができますが、
アチョが手に入れたいタネは蛇王が持っているのです。
しかもこのあとの苦難を予言されます。

先のことがわかっていい点は対策を講じられることです。
可能であれば。

なんか命がいくつあっても足りそうにない感じですね。
厳しい状況で苦難を覚悟でアチョは進みます。
蛇王の洞穴に忍び込むアチョ、
やっとのことで大麦のタネを手に入れます。
大冒険でございますよ。
無謀ともいえるアチョの冒険ですが、やるしかないことは人生にもままありますね。

このページのアチョ王子がとても美しく凛々しいお顔です。
若くて何者をも恐れない勇気があふれている絵です。
とにかく美しいのでふくろうは見とれておりました。
この東洋の若者から光が出ています。
後藤仁さんの絵は本当に美しいですね。
アチョ王子、いくつくらいでしょうか。まだ十代にも見えますね。

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この後もことはそう簡単にはいきません。
王子は蛇王に金色の犬にかえられてしまいます。
ワイ~~~~ン。

犬になったアチョはロウル地方にやってきて山の神の言っていた
心から愛してくれる娘をさがします。

この娘、名をゴマンといいます。美しいゴマンは犬とタネをまきます。
そして秋、娘も嫁に行く季節になりました。

果物をなげつけられた若者が婿に選ばれる風習です。
これは初めて知りました。
さてゴマンの婿になりたい青年は多いようですが、ゴマンは
果物を犬の胸元に落としてしまいます。

これでゴマンは笑いものになり親から追い出されます。
なんでそこまでと思いますよね。
こうやって家なき子となったゴマンと犬。

ここで王子は犬になったわけを自らゴマンに語ります。
犬がいきなりしゃべるんですが、
二人には揺るがない赤い太い糸があったようですね。

行く先々でタネをまきながら国に帰っていくなんて
素敵ですね。
そのあとをゴマンはおいながら進みます。
やがてプラ国が見えてまいります。

犬が現れて王子に変わります。
苦難の後に訪れる幸せに乾杯ですね。

心がじわっとふくらむお話です。
人が一粒の種をどんなに苦労して手に入れてきたか、
雄大なチベットの物語によみがえります。
こんな風に
人の思いが世の中を変えてきたんですね。

お子様と一緒に味わうのにふさわしい上質の民話だと思います。
では。

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心霊探偵八雲 secret files 絆 神永 学

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こんばんは、ふくろうです。
今日は神永学さんの『心霊探偵八雲』「secret files 絆」でございます。
表紙は思春期の八雲です。
今回は八雲の生い立ちが語られます。
晴香は一心に八雲の過去を聞きに行きます。

そうですねえ、ふくろうだっても、聞きたいかな。
思春期の八雲はどんな少年だったのか。

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それにしても壮絶な運命を背負った子ですね。
そしてその八雲を見守る母方の叔父一心の
覚悟がわかります。
運命はそれを生きてる本人には断りなく
決まっているのでしょうか。
それとも生まれてくるときに、そういう契約を交わしてきたのでしょうか。
凡人のふくろうが頭をひねってもわかりませんね。

さらに奈緒との関係もあきらかになります。
いやもう、なかなかわからなかったので、
ここまで考えて書かれた著者に感謝したいです。
読んでいて本当に面白いです。

運命の糸で結ばれた人たちの過去にふくろうは涙しました。

この年頃の八雲にはかける言葉が
なかなか見つからないのですが、
それでも、ふくろうは
「この世に必要でない人なんていない」と
言ってあげたいですね。
君が生きているだけでありがたいと思う人がいるのだと。
君は愛される価値があると。

八雲が今ここに生きていてくれるだけで、ふくろうも
ただただうれしいですね。
よくぞ生きていてくれたと思いました。

疾風怒濤の思春期を八雲はどんな気持ちで
過ごしたのか。
ふくろうも心が痛みます。
子供らしく胸を膨らませることがなかったのかもしれません。
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叔父の大きな愛があったからこそ、苦しみながらも
生きてきたのでしょうね。
どうしたらいいかわからない、と八雲が言うのは、
生い立ちが関係していますね。

痛ましい限りの人生の連続を八雲一人が受けて立つって、
逆境のありよう、ひどすぎませんかね。

人生の始まりから、絶対的な基地であるはずの
母親との関係が悲しい。
そりゃあ理解できなくても仕方がないでしょう。
成長とともにゆっくりと明らかになる様々な事実をたどって
組み立てなければならない八雲は大変だったとおもいます。

八雲とかかわろうと奮闘する担任の高岸明美も、
必死で生きていた一人です。一心との関係も
今まで明かされなかった部分がこの巻では明かされます。

後藤刑事と八雲の関係も長いです。
このころから事件にかかわっていたんですね。

いったいこんなややこしい状況を
支配してきた黒幕は誰なのか。
辛抱強く待って、
八雲は母親の気持ちにたどり着くときが来ます。
人は自分の存在を肯定して生きていかなければ、
やってられませんよね。

それは誰かの手にゆだねるものじゃないです。
生きるのに誰かの許可は必要ない。
成長した八雲がいっていましたよね。

ラストで現在の八雲が出ていますね。
晴香に何やら言い訳めいた発言をしている八雲が
おかしくなります。

思春期を抜けて、現在の人間関係にいたり、
八雲は成長してきています。

そっけなくて不器用な発言が多い八雲ですが、
人としてはやさしいです。

人は言葉ですべてを伝えられるわけではないでしょうが、
そうすると、あとは感じることでしょうか。

八雲の気持ちを感じることができる人たちが
八雲の周りにはいます。
八雲は人の気持ちがわかる青年ですからね。

今後も見守りたいふくろうです。

ではまた。

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DVD 「舞台版」心霊探偵八雲 魂をつなぐもの  神永 学

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こんばんは、ふくろうです。
今日は「舞台版 心霊探偵八雲」「魂をつなぐもの」でございます。
このドラマはテンポのいいヒューマンミステリーだと思います。
高飛車で取りつく暇もない超皮肉屋の八雲が、
難解な事件を解決に導く、面白い舞台でございます。
笑うことがない青年、八雲です。

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おかしくもないのに、笑えるかと、八雲に言われてしまいそうですね。

この舞台は八雲の書籍でいえば
1巻と2巻の内容を扱っています。

八雲と晴香の出会いや後藤刑事と石井刑事も
最初のころから見られます。

複雑怪奇な物語です。
あの世とこの世も巻き込んで
こんがらがっている糸を八雲が解いていきます。

俳優さんたちのイメージも、本を読んだときと
ほとんど一緒で違和感がなく、
さらに舞台ならではの視覚的な工夫が至る所に見られて
とても楽しいです。
特に八雲役の俳優さんの声がふくろうは好きです。
姿も八雲のイメージですが、
こんな声で八雲はしゃべりそうな気がするんですね。

テンポよく進行していくドラマの中で、
人の思いをきちんと表現しています。

けだるそうな八雲は最初からかっこいいですね。
何でも上から目線で語る青年ですが、
心の中には苦しみを抱えています。
一見暗くて不愛想に見えますが、
そこはそれ、ふくろうだって外見だけで人を判断することはございません。

八雲の態度がいつもMAXなのも、
ふくろうにはある種の武装に思えます。
それほど傷ついてきたのかと。

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八雲は、右目では現世を左目では幽霊を見て話ができます。
幽霊の説得をするんですよ。

複雑な事件のクローザー(辞書には閉じるもの、とありました)が八雲の役割でしょうか。
人の見えないものが見えるからこそ、
未解決なものが解決できるんですね。

PSYCHIC DETECTIVEとあるように、
この手の事件では、
推理や操作能力は素晴らしいですね。

こういう能力がなければ
たぶんこんなことはやっていなかったと思います。

こういったドラマの形をしていますが、
人の心や世相の中のやるせない事件、
さらに加害者や被害者の心の闇を暴いていて
興味深いです。
実際に解決には、後藤さんとか石井さんとかが八雲を信じて、
協力してくれますから、うまくいきますね。

現実にドラマではなく、八雲のようなふしぎな力を事件解決に生かせたら、
世の中もっと変わってくるでしょうか。

そういう力を捜査に活用するには、その力を信じて実証する必要があるかもしれません。
日本ではあまり聞きませんね。

今のところ捜査方法として、認められているのかいないのか。
時々テレビでも、そういう捜査をやっているのを見ますが、
検挙率はどうなんでしょうね。

冷徹に見える八雲が晴香をうるさそうに扱いながら
次第に大切にしていく様子が見ていてわかります。
晴香がピンチの時の八雲の行動力は頼りになります。

後藤刑事と石井刑事のやり取りも楽しいし、
ドラマが暗くならない笑えるシーンもあります。
楽観的な登場人物は大事です。
逆境は楽観的にとらえてまいりましょう。

善意の人々が不器用ながらも力を合わせていく姿が
すがすがしいです。

誰でも心の闇がある、その意味もなんとなくわかります。
でもみんな生きていていいんです。

「生きるのに誰かの許可は必要ない」
そう言った八雲の言葉が心に残ります。

本は俳優さんとか脚本家さんによる対談になっていて
こちらも興味深いです。

では。

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